私は現在長野で生活しておりますが、勤務先企業は東京にあります。
東京で就職し働いていましたが、2020年のコロナをきっかけに東京から離れて生活しています。
私の場合移住したというよりは元々地元であったことから、単に戻っただけではありますが、東京から長野に移住してくる人は多く、その中の一定数は東京の企業に勤務したままの状態の方です。
また、長野に限らず東京から地方へ移住している人、あるいは多少なりとも移住したいと思っている方の割合は増えており、脱東京の動きが加速していく可能性は徐々に出てきたかなと感じています。
地方で暮らすことに興味がある方の割合が7割以上(自己調べ)
個人的な知り合いのみとなりますが、30人にアンケートを取ったところ、22名の方が地方への移住に興味があるとこたえてくれました。
完全に移住したいという方はまだ少数でしたが、フルリモートで東京の企業に勤務する傍ら、地方暮らしがしたい(してみたい)というようなイメージです。
ただ、なんとなく田舎で生活することに憧れがある、というようなケースも多くみられるので現実をしれば多少変わる部分はあるかもしれません。
また、個人的な物以外に、BUSINESS INSIDERの記事にて『7割が興味あり「地方で暮らし、都内の企業でリモートワーク」。脱・東京が鮮明に』という記事がありました。
「地方に住みながら都内の企業で働くことに7割もの人が興味を持っており、思っていた以上に多い数字だった」
との見解が示されている。
個人的にも7割という数字は多いなと感じており、私は地方出身ではありますが、地方は地方で面倒なことが多く、特に人間関係は狭い世界なので東京よりも面倒だったりするケースもあります。
地方で暮らしながら東京の企業で働く:どういった人(職種等)が実現できている?
一般的にどういった職種、志向、マインドの方が地方で暮らしつつ東京の企業で働いていたりしているのか、簡単に見てみましょう。
営業マン(融通が利く営業職やインサイドセールス等)
私の周りの営業職の方で、電話やメールとZoom等のオンライン会議システムのみで営業・契約が完結するスタイルの営業職の方は地方に住んでいるケースが増えています。
私自身は営業を受ける側の立場なのですが、確かに電話とオンラインだけでサービス導入を決めたりすることは多いです。
ただし、一方で現物を見なければならないような商品だと実際に見せて欲しい、実演して欲しいといったこともあるので、営業と言っても合わずに簡潔させられるものが良いでしょう。
Web系のサービス等はほとんどネットで完結できるかと思います。
コンサル職
コンサルと言っても様々なジャンルのものがあります。
私の周りでは、例えば公認会計士等のプロフェッショナルとしての知見を活かして会計コンサルを行う方々が割とリモートワークしてたりします。
コンサルというと激務でクライアント先にいかなければならないイメージが強かったのですが、最近はそのようなことも無いようです。
むろんこれも所属するファーム等によるのでしょうが。
マーケター・ディレクター・デザイナー
WebマーケティングやWebディレクター、Webデザイナー等の職種の方々はかなりフルリモート率が高くなってきています。
月1出社等があるケースも多いのですが、月1なので、それほど大変ではありませんので、例えば長野や静岡、愛知といったところに住んでいる人も珍しくありません。
東京へも2時間も見ておけば行けるので月1出社であれば問題無いという方が多いです。
IT・Web系エンジニア
エンジニアはフルリモートが多いです。
ただ、採用の時点でどこに住んでいても構わないというケースが元々多かったので、エンジニア系の方々は言うまでもなく多いと言えるでしょう。
なぜ地方に住みながら東京の企業で働くのか
なぜ地方に住みながら東京で働くことを選択するのか、簡単に理由を伺ってみました。
最先端の技術・知識から遅れを取りたくない、スキルを落としたくないから
例えばエンジニアであれば機械学習やディープラーニング等の比較的新しい分野の仕事は地方でもそこそこ増えてきております。
ただし、こうした業務は常に新しい知識や情報に触れているとともに案件自体も刺激のあるものに関わっている必要があります。
情報を得るだけなら、最近はオンラインでセミナーやフォーラムが開催されているのでなんとかなる部分もありますが、最先端に関わる仕事内容というとやはりまだ東京での業務が主となることから、東京の企業に勤務しつつ地方に住むといった傾向がまだ強いです。
職種的に基本的にリモートOKの求人も多いので実現できているというケースが多いです。
地方に求める仕事内容の職種・企業が無いから
どの地方なのかにもよると思いますが、私の地元も含めて、基本的に存在している求人や仕事が、「地銀の営業」「工場」「地元企業の古い体質」「公務員」「飲食」「観光(旅館等)」といったものが大半なのですが、仕事に偏見を持つわけでは無いのですが、大学で勉強したことやこれまで磨いてきたスキルを活かせるようなものはほとんどなく、単純労働だったりするわけです。
そのため、そもそも選択肢が無いということで、田舎暮らしにはあこがれるけど仕事がないから東京企業に勤務したままで地方移住という方もいらっしゃいました。
逆に言うと、地方に仕事の選択肢が広がれば、東京勤務じゃなくても良い、という風に考えられるかと思います。
東京の企業の方が給与が高いから
地方に根差した企業の場合、想定年収が低い傾向にあるようでした。
大手企業で地方に拠点があるケースはこの限りではありませんが、地元密着型だったり本社が地元の場合は結構低いところが多いです。
一方で、住んでいる場所に関わらず東京の企業の場合、東京での給与感覚で支給されるので、それで地方に住んでいるとなるとお金の面でもかなり良い効果があると感じている方は多い傾向です。
個人的には地方に支店がある企業に勤務していた際に、東京から転勤になると基本給変わらずで尚且つ手当がもらえて、それでいて生活費は安くなるので、正直超いいなと感じていた時期が3年程ありました。
地方は生活費は東京に比べると安いので、東京水準かそれ以上の稼ぎがある場合かなりお金が貯まりますし生活面も非常に豊かになります。
地方に住みながら東京で働くのに必要なもの
私自身も地方在中且つ東京の企業に勤務中ですが、働く上で必要なものは、
- パソコン
- 通信環境(ネット回線)
- Slackやチャットワーク、Zoom等のコミュニケーションツール
基本的に上記だけで東京とのやりとりは完結しており、不都合はありません。
実機や実物をみないといけないケースもあるのですが、その場合はZoomなどで確認しつつ東京にいる他のスタッフの方とやりとりしながらチェック・確認を行っています。
ただ、このあたりは仕事内容にもよってくるのかもしれません。
いずれにせよ、多くの方はパソコンとネット環境さえあればなんだかんだ何とかなるというケースが多いかと思います。
なお、同企業の営業マンの方も訪問する意味はなく、リモート営業で十分といっていたので、電話、メール、ビデオツールで問題無いと言っておりましたので、営業職の方も結構実現できています。
人事・総務・経理等の管理部門の方は地方移住のリモート化できない現状もある
私の所属する企業でも、管理部門の方々は出勤頻度が多くなっており、地方勤務は難しそうだなと感じています。
総務や人事であれば、私たちが地方勤務を実現できるための仕組みづくりを行ってくれており、そして会社に誰もいないという状態を作ることができないので、持ち回りで出勤していたりします。申し訳ないなと思うと同時にありがとうと思っております。
また、経理財務の方に話を聞くと、業務上紙も多いしアナログで対応する部分も多いこと、法務局等官公庁や銀行などもまだまだ対面が多いとのことで、出勤は必要だと言っておりました。
これも会社の規模感等によるところもあるのかもしれませんし、私は経理の仕事はよくわからないのでなんとも言えないのですが、いずれにせよ、管理部門の方々は多くの企業でまだ実現できていないという声を聞きます。
このあたりは時間がかかるのでしょう。
地方に住みながら東京の企業で働きたいなら転職エージェントを利用してみる
私の知り合いが最近転職したのですが、フルリモート可で地方に住んでいても大丈夫な求人はあるのか?とエージェントに質問したところ、かなりの数があったようです。
エンジニアということもあったのかもしれませんが、東証一部上場企業はもちろんのこと、IPOを目指すベンチャーなどでもフルリモート可で面接も全部オンラインといった形になっていたようで、そういった意味では実現しやすい状況なのかなと思いました。
基本的に大手の転職エージェントに登録すると案件がたくさんあるので、リクルートとかその辺にまずは登録して求人の状況を探っておくと良いでしょう。
地方に住むという覚悟があれば実現はしやすいです。